CBDは何日で判断すべきか、半減期のデータから考える

1回飲んで何も感じなかった、で終わらせていいのか。体内動態の研究と臨床報告を並べて、判断に必要な日数を考えてみます。

ケン
この記事を書いた人
ケン#データで語る

元研究職、CBDの研究・エビデンスをやさしく解説する担当

「1回で判断できない」には、体感以外の理由がある

CBDをどれくらい続ければいいのか、という話は、どうしても「感じたか、感じなかったか」という体感頼みになりがちです。ただ、体の中でCBDがどう振る舞うかを調べた研究(薬物動態=ファーマコキネティクス)を読むと、体感とは別の角度から「1回では判断しにくい」理由が説明できます。今回はそこを、公開されているデータで整理してみます。

継続して摂ったときの半減期は「2〜5日」と報告されている

まず注目したいのが半減期です。半減期とは、体内の成分量が半分になるまでにかかる時間のこと。これが長いほど、次に摂るときまで前回分が体に残っていることになります。

ヒトを対象にしたCBDの薬物動態研究を集めた系統的レビュー(Millar et al., Frontiers in Pharmacology, 2018)では、経口で継続的に摂取した場合の半減期を「2〜5日」と報告しています。摂り方によって数値は変わり、同じレビューでは吸入で31時間、静脈内で24時間といった数字も併記されています。

つまり、継続して飲む前提のCBDは、体内から抜けるまでに日単位の時間がかかる成分だということです。1回だけ試した時点というのは、体内の濃度がまだ立ち上がっていない段階にあたります。

濃度が一定に落ち着くまでの時間も測られている

健康な成人を対象にした第I相試験(Taylor et al., CNS Drugs, 2018)では、1日2回の反復投与でおよそ2日後に定常状態(血中濃度が一定の範囲で安定する状態)に達し、蓄積の程度は1.8〜2.6倍だったと報告されています。

ただしこの試験で使われたのは1回750mgまたは1500mgを1日2回という、てんかん治療を想定した非常に高い用量です。日常的に使うサプリメントの量とは桁が違うので、日数だけを参考にして、数字そのものを自分に当てはめるのは適切ではありません。

「脂肪に溜まる」は、まだ確定していない

ここは正確に書いておきます。CBDが脂溶性の高い分子であること自体は、先ほどのレビューでも「highly lipophilic」と明記されている通りです。ただ同じレビューは、反復投与で血中濃度の蓄積は示されなかったとしたうえで、「組織への蓄積はありうる」という書き方をしています。

要するに「体に溜まっていく」という説明は、可能性として指摘されている段階であって、ヒトで確認された事実ではありません。この記事でも、そこは断定しないでおきます。

自己申告ベースの報告は「1ヶ月」という単位で見ている

次に、実際に使った人を追いかけた報告です。精神科クリニックで72名を対象に行われたケースシリーズ(Shannon et al., The Permanente Journal, 2019)では、ほとんどの患者が1日25mgのCBDを摂取しました。

報告されている数字は、1ヶ月目で不安スコアが低下した人が79.2%(57/72名)、睡眠スコアが改善した人が66.7%(48/72名)。2ヶ月目は不安が78.1%(32/41名)、睡眠が56.1%(23/41名)でした。論文は「不安スコアは1ヶ月以内に低下し、その後も低いまま推移した。睡眠スコアは軽度の改善を示した」とまとめています。

ただし、この論文は自分自身で限界も明記しています。対照群がなく、全員が薬を知った状態で受けるオープンラベルの自然観察研究であり、大麻に関する評判の影響でプラセボ効果が通常より大きく出ている可能性がある、と。だから数字をそのまま「効果の証明」として読むことはできません。

それでも参考になるのは、評価の単位です。この研究は変化を「日」ではなく「月」で追いかける設計になっています。

国内では、3日間の脳波試験も行われている

日本国内の例として、早稲田大学睡眠研究所とCBDブランドの共同研究があります(2022年、日本イーコマース学会で発表)。健常な睡眠をとっている30〜40代の会社員を対象に、CBD入りオイルとCBDなしオイルのどちらかを本人に伏せて3日間continuousに摂取してもらい、2週間の間隔をおいたクロスオーバー法で比較。脳波計で入眠潜時・睡眠効率・睡眠段階を測り、心拍変動なども評価しています。

公開されている結論は「CBDなしオイルと比較して睡眠の質を改善させる可能性が示唆された」というもので、被験者数や具体的な数値は公表されていません。査読論文としても見当たらないため、参考程度に留めるのが妥当だと考えています。ただ、比較のために「1日」ではなく「3日間の継続」を条件に設計されている点は、この記事の話とつながります。

結論:判断のスパンは「日」ではなく「週」

ここまでの数字を並べると、こうなります。継続摂取での半減期は2〜5日。濃度が一定に落ち着くまでにも数日。人を追いかけた報告の評価単位は1ヶ月。国内の脳波試験も、比較の条件は3日間の継続でした。

体感があるかないかとは別の次元で、CBDは「日をまたいで評価する前提の成分」としてデータが取られている、ということです。1回試して結論を出すのは、少なくとも研究の側の見方からすると早すぎます。

私自身の使い方としては、量を目盛り0.5mlで一定にしたうえで、少なくとも数週間は変えずに続けて、そのあいだの睡眠や日中の状態を記録して振り返るようにしています。もちろん感じ方には個人差がありますし、ここで挙げた研究はいずれも製品も用量も異なるものなので、結果がそのまま自分に当てはまるわけではありません。それでも「どのくらいのスパンで見るか」を決めておくと、判断がぶれにくくなります。

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※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。CBDは医薬品ではなく、特定の病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や通院中の方は、医師など専門家にご相談ください。

GoodDays Journal 編集部
ミカツムギケンマキ

CBDとの向き合い方はひとそれぞれ。はじめての方も、長く親しんでいる方も、それぞれの目線でCBDのある暮らしをお届けします。

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