CBDの臨床研究「CBDオイルの睡眠への効果」
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<はじめに>
WHOでも認められているCBDですが、日本での臨床研究はあまり進んでいないのが現状です。
そんな中、早稲田大学睡眠研究所で、2021年にCBDオイルが睡眠に与える影響を調査する臨床研究が行われました。この研究の結果は、2022年11月に開催された日本イーコマース学会にて発表されました。
<目次>
1.研究の背景と目的
2.研究内容
3.評価方法
4.研究結果と結果
5.研究結果で得られた示唆
1.研究の背景と目的
CBD(カンナビジオール)は、ヘンプ(麻)に含まれる成分の一つで、WHO(世界保健機関)から安全性が認められており、精神作用や中毒性がないことから、医療や健康・美容業界で注目されています。
しかし、日本国内でのCBDに関する臨床試験は限られており、科学的なエビデンスが不足していたため、睡眠に悩む多くの人々に正確な情報を提供するため、早稲田大学睡眠研究所にて臨床試験を実施することとなりました。
2.研究内容:
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対象者: 健常な睡眠をとっている30代~40代の会社員。禁煙者であり、CBD未経験者。実験日は禁酒とした。
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実験方法: 被験者は就寝前に以下のいずれかを摂取した。
・CBDオイル
・CBDを含まないオイル(プラセボ)
どちらのオイルを摂取するかは被験者には知らせず、3日間連続で使用し、睡眠状態を計測した。その後、2週間の間隔をおいて、もう一方のオイルを同様に3日間使用するクロスオーバー法を採用。
3.評価方法と結果
・脳波計(ポリソムノグラフィー)による計測
入眠潜時(寝つきまでの時間)
⇒CBD摂取時において平均して短縮され、被験者はより早く入眠する傾向が見られた。
睡眠効率(実際に眠っていた時間の割合)
⇒プラセボ条件よりもCBD摂取時に高まり、実際に眠っていた時間の割合が増加した。
睡眠段階(ノンレム睡眠・レム睡眠の割合)
⇒ノンレム睡眠の割合がやや増加し、特に深い睡眠段階(ステージ3)への移行が促進された。
定量脳波解析(睡眠の深さの変化を分析)
⇒CBD摂取時はデルタ波の出現量が増加し、深い睡眠が優位になる傾向が確認された。
・心拍変動解析(自律神経のバランスを測定し、リラックス状態を評価)
CBD摂取時には副交感神経の活動が優位となり、心拍の安定性が向上。リラックス状態が強まったことが示された。交感神経の過活動は抑制され、就寝前後の自律神経バランスが安定。
・体温データの測定(体温リズムと睡眠の関連を分析)
CBD摂取時には、睡眠に適した体温リズム(就寝前の末梢体温の上昇と中核体温の緩やかな低下)がより明瞭に現れた。体温変化のタイミングがよりスムーズになり、自然な眠気を誘発する生理的傾向が確認された。
4.研究結果で得られた示唆
本研究において、3日間連続してCBDオイルを摂取した被験者は、睡眠の質に関する複数の指標において明確な改善傾向が示唆された。
より早い入眠と深い睡眠段階への移行が見られ、心拍変動では自律神経のバランスが整いリラックス状態が促進さた。さらに、体温リズムの調整も確認され、全体としてCBDが自然な眠気と深い睡眠を促すことが示唆された。
一方、1日だけの摂取では明確な変化は確認されなかったため、これらの結果は、CBDの継続的な摂取が睡眠の質の向上に寄与する可能性を裏付けるものである。
<まとめ>
長いので、端的にまとめます。
日本国内での臨床試験。早稲田大学睡眠研究所がCBDオイルの睡眠への影響について臨床試験が実施された。
対象:健常者を対象にCBDオイルとプラセボを比較
方法:3日間連続使用の効果を評価
結果:CBDの継続的な使用により、睡眠の質に変化が確認された
この研究は、CBDの継続的な使用が睡眠の質を改善する可能性を示唆しています。