今月のCBDトピックス:規制・安全性・最新研究まとめ

THC規制の厳格化から、脳への届け方を工夫した新製剤、肝酵素値に関する臨床試験まで。今月気になったCBDの話題を、データで語る編集部員ケンが拾ってみました。

ケン
この記事を書いた人
ケン#データで語る

元研究職、CBDの研究・エビデンスをやさしく解説する担当

こんにちは、編集部のケンです。今月気になったCBDの話題を拾ってみました。国内の規制まわりの動きから、海外の基礎研究まで、できるだけ根拠を示しながら慎重にご紹介します。専門用語にはやさしい言い換えも添えますので、気になるところだけつまみ読みしていただいても大丈夫です。

茨城県が「THC混入」への注意喚起を発表

まず国内の話題から。茨城県が2025年10月21日更新の情報として、CBD製品の中にTHC(テトラヒドロカンナビノール。大麻に含まれる、向精神作用があるとされる成分)が混入しているケースがあるとして、消費者向けに注意喚起を出しています。

大麻草には100種類以上のカンナビノイド(大麻由来の成分の総称)が含まれており、CBDもTHCもその一種です。県の発表では、カンナビノイドの中には麻薬や指定薬物に指定されている成分もあるとした上で、購入時にTHCが含まれていないかを確認するよう呼びかけています。CBD製品を選ぶときは、こうした公的機関の発信を一度チェックしてみるのも良さそうです。詳しくは茨城県公式サイトをご覧ください。

2024年12月の法改正、CBD購入者への影響とは

関連して、2024年12月に施行された大麻取締法・麻薬取締法の改正についても、2025年10月31日にTHE ASA MEDIAが解説記事を公開しています。この改正では、規制の考え方がTHCの含有量そのものを規制対象とする「成分規制」へと移行したと説明されています。

つまり、以前よりもTHC残留基準が厳しくなっており、CBD製品を選ぶ側としても「THCがどのくらい含まれているか」という点に、これまで以上に注意が必要になっているということです。こうした制度の変化は、私たち編集部としても継続してウォッチしていきたいテーマです。詳細はTHE ASA MEDIAの記事をご参照ください。

健康な成人でCBDが肝酵素値を上げる可能性、JAMA誌に論文

安全性に関する話題として見逃せないのが、米FDA(アメリカ食品医薬品局)の研究者らが関わった無作為化臨床試験(参加者をくじ引きのようにグループ分けして比較する、信頼性の高い試験デザイン)の結果です。2025年7月にJAMA Internal Medicineという医学誌にオンライン掲載され、日本語での紹介は同年9月に医薬政策情報サイト「P-Cubed」で公開されています。

この試験では、健常な成人201人を対象にCBDを摂取したグループとプラセボ(有効成分を含まない偽薬)を摂取したグループを比較したところ、CBD群では151人中8人、プラセボ群では50人中0人で、肝酵素(肝臓の状態を示す血液検査の数値)が正常値上限の3倍を超える上昇を示したと報告されています。

この結果は、CBDが「ただ気分を落ち着かせるもの」ではなく、体の中で代謝され、肝臓にも影響しうる成分であることを示すデータの一つと言えそうです。摂取量や体質による個人差もあるとされており、継続的に摂る場合は自分の体調の変化に注意を払うことが大切だと感じます。詳細はP-Cubed「健康な成人におけるカンナビジオールと肝酵素値の上昇」で読むことができます。

脳に届く新しいCBD製剤で神経の痛みを和らげる研究(米ロチェスター大学)

ここからは海外の基礎研究の話題です。2025年11月18日、米ロチェスター大学医療センターの研究チームが、CBDをナノミセル化(脂に馴染みやすい成分を、体内で運びやすい小さな粒子に加工する技術)した新しい製剤「CBD-IN」を開発したと報じられています(ScienceDaily報道)。

マウスを使った実験では、この製剤が神経障害性疼痛(神経そのものの損傷や異常によって生じる痛み)を素早く和らげ、通常CBDの動物実験で見られるような運動機能や記憶への副作用が見られなかったとされています。さらに興味深いのは、この鎮痛作用が典型的なカンナビノイド受容体(体内でCBDやTHCなどが結合して働きかける、いわば“鍵穴”のような部位)を介したものではなく、異常な神経活動をより直接的に鎮めるしくみだった可能性が示唆されている点です。

私たちの体には、エンドカンナビノイド・システム(ECS:体内で自然に作られるカンナビノイド様物質と、その受容体からなる、心身のバランス調整に関わるとされるしくみ)が備わっており、CBDはこのECSや、それに関連する神経の働きに作用すると研究されています。今回の研究は、CBDが「なんとなく落ち着く」という気分の話にとどまらず、神経のしくみそのものに関わりうることを示す一例として注目されます。ただし、これはあくまでマウスでの実験段階であり、人での効果や安全性はこれから検証される段階です。出典はScienceDailyです。

CBD・THCが卵巣がん細胞に「予想外の効果」、基礎研究段階

最後にもう一つ、2025年12月15日にScienceDailyで報じられた話題です。学術誌Frontiersに掲載された研究で、CBDとTHCという大麻由来の2つの成分が、卵巣がん細胞に対して予想以上に強い作用を示したことが報告されています。

この研究はあくまで細胞を使った実験段階のもので、論文自体も動物実験や薬物動態データ(体内でどう吸収・分解・排出されるかを調べるデータ)はまだ実施されておらず、臨床応用にはさらなる研究が必要だとしています。基礎研究の段階の話であり、人への効果を保証するものではない点には注意しておきたいところです。出典は同じくScienceDaily/Frontiersです。

まとめ:気分の話だけでなく、体のしくみへの関心が広がっている

今月拾った話題を振り返ると、国内では規制環境の厳格化という「安心して選ぶための土台づくり」が進んでいる一方、海外ではCBDが肝臓や神経、細胞レベルでどう働くのかという、体のしくみに踏み込んだ研究が続いています。CBDは「リラックスできる気がする」という体感の話だけでなく、ECSや神経、代謝といった体の内側の働きと関わっていると研究されている段階のものだと、あらためて感じさせられる1ヶ月でした。

研究はまだ発展途上のものが多く、効果を断定できる段階ではありません。個人差もありますので、CBD製品を選ぶ際は、こうした一次情報にも目を向けながら、ご自身のペースで付き合っていただければと思います。来月もまた、気になる話題があれば拾ってご紹介します。

※この記事は情報提供を目的とした編集部員の体験・見解です。CBDは医薬品ではなく、特定の病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安のある方や通院中の方は、医師など専門家にご相談ください。

GoodDays Journal 編集部
ミカツムギケンマキ

CBDとの向き合い方はひとそれぞれ。はじめての方も、長く親しんでいる方も、それぞれの目線でCBDのある暮らしをお届けします。

一覧に戻る